« そろそろ袷の季節です | トップページ | 昨日と今日 »

2006年9月28日 (木)

3人寄れば、文殊の…

今日は、ね、眠かったです…。
いつにも増してウツロな一日となりました。
暑いのか寒いのかよくわからないお天気でしたね。

さて、昨日の出光美術館。面白かったです!

江戸時代前期、俵屋宗達という天才芸術家が風神雷神の屏風を描きます。
それまでなかった大胆な技法、のびのびとした作風。
80年後にそれを発見したのは、日本の誇るカリスマデザイナー尾形光琳。
宗達の描写に感動した光琳は、そっくりの屏風を模写して描き上げます。
さらに100年後くらいに、熱烈な光琳マニアの酒井抱一がその屏風を発見!
模写とはつゆ知らず、さすが光琳!カッコイイ!!と感動した抱一は
光琳マニアの名にかけて!とばかりに屏風に模写します。

今回は、その三作品の比較展示。
宗達の原画に、光琳をトレースしてみたり、
(もちろん光琳に抱一のトレースも)
「目」「手」「羽衣」などパーツに分けて徹底解剖してみたり。
その解説文がまた素晴らしい!
「神々しい宗達の風神」「光琳の風神は威厳が薄められた」
「抱一の風神は卑俗な表情を浮かべた人間臭い姿」
とか、
足の比較で「厳粛な感じのする宗達」「装飾化の進んだ光琳」
「すでに(筋肉の線の)意味を失いかけている抱一」
とか、しまいには
「最も驚かされるのは、宗達、光琳では5本ある指が
抱一にはなぜか4本しかないのだ!」
とか。
わーー!イヤミ??
”光琳は許すけど、抱一までいくとちょっとねー”という
宗達マニアの意思が見て…いや、読んでとれます。
この、冷静さを失いかけたファントークがたまらないです(笑)!
バイブルは「燃えよペン」ですもの、わたし。

実際に比較してみると、やはり宗達は威厳があり、
仏像から描き起こしたんだなあ、という感じがします。
表情なんかも、ほんとの自然の神さまみたい。
なんというか、あまり強い意志を感じないのね。
「そういう役割だからそこにいる」って感じなのです。
たなびく羽衣もすごくしなやか。そして、雷神の後ろの光輪が
ほんとに真円なんですよーーー!すごーーい!!
どうやって描いたんだろう。画鋲に糸かな(笑)。

そして光琳を見てみると、さすが希代のデザイナー、
ちょっと平面的に、そして線も太め、単調に。
色合いも華やかになってグラフィカル。
でも!宗達にトレースした展示を見ると、ラインはほぼ同じ!!!
上からなぞったかのように比率が同じ!!すごいぃ!!!
パソコンはおろか、トレペもライトボックスもない時代。
目で見て、手で描いたわけですよ?!
なんなのさ!この天才め!!!

わけのわからない罵倒の言葉が口をついた後は、光琳の模写をした抱一。
なるほど、宗達の風神雷神からはかけ離れた、
非常に人間的な表情になっています。
何よりも気になるのは、その線の荒さ。
基本的に、描線の強弱って陰影に基づいてつけるものじゃないですか。
陰になるところは太く、光のあたっているところは細く。
ただ模写にばかり気をとられて、その線の強弱の整合性が
感じられなくなってしまい、そうなるともう、
めちゃくちゃに描いたっぽくなってしまうのですね。
「ちょっと絵の上手い素人の落書き」風に。
(いや、巨匠なのですが)
そして、風の向きもヘンな具合に。
髪と風袋には下からふんわり風が吹いてるっぽいのに
羽衣には左から強風が吹き付けてるっぽい。

例えば。
NBAのビデオを見ながら描いたスラムダンクと、
スラムダンクを見ながらバスケシーンを描いた少女漫画と、
その少女漫画を見ながらバスケシーンを描いた投稿作を
比較して展示しているような。
(…それは、イジメに近いよ……)

モチーフが同じでも、その本質をつかんでないと全く違うものに
なるのだなあ、と、とても興味深かったです。面白かった!
パクリとオマージュの違いって、リスペクトがあるかもそうだけど
コンセプトを理解しているかってことだものね。
抱一の秋草の展示もあって、それはすっごく良かったのです。
桜の色合いとか、幽玄で。
やっぱりパクリよりもオリジナルで勝負!ってことですよね。

うーん、面白かったです。何度も見返すため、
3枚をグルグルと行ったりきたり(笑)。
平日なのに、かなり混んでいました。
宗達の屏風は国宝、光琳のは重要文化財ですので。
次はいつ見れるかわからないしネ☆

そして最後に併設の仙厓展にドギモを抜かれて出光美術館を後にしました。
仙厓の「指月布袋画賛」。あれはなに?あの手前の物体は??
もしご興味のある方は調べてみてください。そして見解を教えてください。
………ひよこ?

出光美術館、次も面白そうなのです。
国宝の大納言絵巻の展示。
「高精細デジタル画像により、描かれた人物の超特大パネルを用意し
絵巻を体感していただこうと思います」
…!!きっと、特大絵巻の中に自分が入る、みたいな形になるに違いない!
きっとそうだ! うわあ、楽しみだーー!

|

« そろそろ袷の季節です | トップページ | 昨日と今日 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/24966/3618587

この記事へのトラックバック一覧です: 3人寄れば、文殊の…:

« そろそろ袷の季節です | トップページ | 昨日と今日 »