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2010年4月13日 (火)

アマテラスの誕生

こんな本を読みましたー。

アマテラスの誕生?古代王権の源流を探る (岩波新書)Bookアマテラスの誕生?古代王権の源流を探る (岩波新書)

著者:溝口 睦子

販売元:岩波書店
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アマテラスが皇祖神となったのは近代に入ってから、
その前に国家神だったのは、北方ユーラシアから渡来した
タカミムスヒという神だった、という著者の自説をもとにした新書。
日本史(主に古代史)がウロオボエの人でも読みやすいよう、
噛み砕いて書いてあります。
専門用語があんまり出てこないのも助かります。

国家神の交換、という場面はすごくスペクタクルで面白かったです。
それにも増して、日本という国は古代の遥か昔から、
様々な国から流れてくる文化を吸収し自分のものにして、
発展してきたんだなあ…と感慨深くなる本です。
この、ミックスできるということ自体が文化であり強みなのですね。
前々からぼんやり思ってたんですが、日本人て
言われているほど、そして自分たちが思っているほど
安定志向じゃないと思うんです。
「他国の文化を取り入れることが文化」だもの、
あまり変化を恐れない国民性なんじゃないのかなー、と
思うんですけど、どうかな。


アマテラスはもともとは「ただの太陽神」という表現も面白かった。
古代の人にとっては「太陽のおばちゃん」という感覚だったのだろうって。
それが政治的な背景から、いつの間にか国家を背負う神様にされちゃって。
昔のヨーロッパの王室にそんな人がいそうです。
ただのお姫様だったのに、王様も旦那さんも死んじゃって、
いつのまにか女王にされちゃった…って感じ。

あとがきがまた、胸が熱くなる。
『私の願いはこの神が、
今度こそ誕生した時の素朴で大らかな太陽神に戻って
少し頼りないところはあるが、あくまで平和の女神として(略)
豊かな命の輝きを見守る神であり続けて欲しいということである』

ヘンに責任を背負わせるよりも伸び伸びやらせた方が
いい仕事ができる新人ちゃんみたいな。親しみが湧くアマテラス像sun
こんな時代ですが、小さく縮こまらないで、
ノビノビと大らかに生きていきたいものです。

という気分になった、読み応えのある本でした。

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